Wednesday, January 31, 2007

球体関節人形 上塗り



今日の画像は4、5体目の上塗りです。4、5体目の制作日記はこれが最後です。もう画像が残ってません。次はまた違うものを載せていきます。それと一昨日から6体目の球体関節人形の制作に入りました。今回は大きいです。約80cmの大人の女性です。胸が大きい人形って初めて作るので、今からちょっと不安です。左右対称になるかなぁ、とか、ちゃんと自立するかなぁ、とか。

では、上塗りについてです。球体関節人形は石粉粘土や木粉粘土やビスク等の種類があります。私は石粉粘土を使います。粘土の表面は傷つきやすいので下地を塗り、それから上塗りをします。上塗りには胡粉を仕様するととても綺麗で強固な仕上がりになりますが、私は海外在住のため、胡粉が手に入らないので、違うもので代用します。下地もクロスクレイと呼ばれる液状粘土をよく使用しますが、これも手に入らないために違うもので代用します。

上塗りが終わった後の彩色の方法によるのですが、私は下地と上塗りと彩色を一度にすませるため、ジェッソとモデリングペーストを混ぜたものに、アクリル絵の具で色をつけ、それを粘土の上に塗っています。ジェッソとモデリングペーストを1:5の割合で混ぜ(2:5だったかな?)、全体の2割に相当する木工用ボンドを水で溶き、それに混ぜ込みます。それからアクリル絵の具で褐色を作り、それに混ぜて肌色を作ります。これを粘土の上に6度塗りします。2体同時に上塗りすると、全部のパーツに塗り終わった時には最初に塗ったパーツがすでに乾いており、そのまますぐに2度塗り3度塗りと進めていけます。休みなしなので、半日は軽くつぶれます。とても疲れます。

6度塗りが終わると、手につかない程度に乾かし、それから最終磨きをします。磨かないと凸凹の表面のままになってしまいます。この磨きが一番大変で、前回、1ヶ月で2体作った時、この磨きで腱鞘炎になりかかりました。思ったよりも力を入れて磨かないとならず、それを小さいパーツも含め2体分休みなしで磨かないとなりません。休んでチマチマ磨いていると、上塗りの塗料がどんどん硬くなっていき、磨きにくくなるのです。

磨きが終わると彩色で、顔を描き込んでいきます。私はほっぺや関節部分にはチークを使います。それからアクリル絵の具で眉、目の周り、唇を彩色していきます。とても楽しい作業です。それが終わると髪の毛の貼付けで、最後に組み立て、完成となります。

2体同時制作は時間に無駄がなく作業出来て良いのですが、やはり大変です。また、同じパーツを2回繰り返して同じ作業をすると飽きやすいです。でも2体同時に出来上がるあの感動はやはり別格ですね。一気に賑やかになります。

Tuesday, January 30, 2007

球体関節人形 仮り組み



久しぶりの更新で、画像は続きの球体関節人形の仮り組みのものです。粘土の盛りつけ・造形等の肝心な所の写真を1枚も撮ってなかったのです。ものすごい急いで作ったので写真とる暇もなかったようです。で、いきなりですが仮り組みの画像紹介になります。

4、5体目は子供の男の子と女の子です。粘土で造形が終わって上塗りをする前に仮り組みをして自立するか確かめたり、バランスのおかしいところをチェックしたり、関節の具合を調べたりします。とても大切な過程の一つです。ここで自立しない時には何故自立しないのか解明し、直していかないといけません。上塗りをしてから自立しなかった!と分かっても、もう手直しがきかないのです。

回数を重ねるごとに自立バランスがしっかりしてきまして、今回も一発で自立してくれました。しかもとてもしっかりしています。簡単に自立してくれるととても嬉しいです。仮り組みして初めて完成に一番近い形を目にするのですが、こうして画像を見ると、子供のくせに足がいやに長いですね。初の幼児体型で、どこまで体型をデフォルメしていいのか悩んだ結果、「これくらいならいいだろう」と思っていたのですが、それでもやはり足が長目です。ですがこれは洋服を着せるとまた違って見えてきますし、何よりもまだ髪の毛も貼付けていないので、最終的な姿とは違います。その辺を考慮に入れて見た時に、これは許容の範囲内だと思いました。

Monday, January 08, 2007

球体関節人形 ラップ巻き


今日は球体関節人形の芯にラップを巻くについて書きます。画像はラップを巻いた発砲スチロールの芯です。これについてこれと言って特筆すべきこともないのですが、何故か丁寧に写真まで撮っていたようなので載せてみます。

発砲スチロールで芯を削り、大きなパーツ、胴体や足にはラップを巻きます。これは後に粘土と発砲スチロールを分離させる時に作業がしやすいようにするためです。その他にも発砲スチロールそのものに粘土を巻き付けていくよりも、ラップを巻いていた方がやりやすいようにも思います。ほんのちょっとの違いですが。

私は普通の料理用のサランラップを使っています。適度な大きさに切ったラップをスチロール芯にぴったり密着するように巻き付け、最後はテープでとめます。これがなかなか難しく、いつも格闘しています。芯とはいえ結構細かく作り込むので、表面に凸凹が多く、密着させるのは非常に難しいです。切り込みを入れたりして出来るだけ密着させるといいみたいです。巻き付けた後に、軽くコンロの火であぶるとラップがキュッと縮まってスチロール芯に密着します。これが私は下手糞でありまして、火力が強すぎるのか火に近づけ過ぎなのか、ラップが溶けてしまいます。溶けて穴があいた部分はテープを貼ってふさいでいます。酷い時にはスチロール芯も溶けてしまい、せっかく綺麗に作り込んだスチロール芯が変形してしまうことも。。。コンロだと駄目かとライターの火やろうそくの火でもやってみましたが、結果は同じ。距離をとってササッと軽くあぶるのがコツみたいです。でもあまり離したりあぶる時間が短すぎるとラップが密着してくれない。。

足のスチロール芯は比較的表面が平らなので、ラップ巻きが楽です。腕と頭、手足には巻きません。それらはスチロール芯をかきだす形になるからです。足や胴体はスチロール芯を「はずす」形になり、きれいにはずしたスチロール芯は再利用できます。

Tuesday, January 02, 2007

球体関節人形 製図


今日の画像は1月のトップページで仕様している人形の製図を紹介します。2体とも同じ製図から制作しました。姉弟で年が近いという設定なので同じ製図から作るとちょうどいいのです。

球体関節人形はまず最初にどういう人形を作りたいかイメージを固めていくところから始まります。今回は北国の少年少女というのを頭に置き、5歳くらいの子供で似ている2人を想定してだいたいの雰囲気を絵にします。球体関節人形は人形人形するよりもどちらかと言えばリアルを追求する風潮が強く、いつもは人間の写真を見て骨格や肉のつき方を立体にしていきます。私はリアルすぎるよりも人形らしい特徴を生かしたいので、子供の写真を参考にせず、自分のイメージで頭が大きく目が大きく頬がふっくらとして手足が細い人形をイメージしました。

製図は出来上がりを意識し、中心のバランスが崩れないように左右対称にきっちり描きます。製図の段階では髪の毛とか生えてないし、裸の状態なので、最終的に服を着せて大きな頭とバランスがとれるように気をつけました。製図には手の形や足の形も描き、それを元に体のパーツを全部作っていきます。出来上がりが41cmになりましたが、球体関節人形では小さい方ではないでしょうか。小さすぎると手首や足首の球が比例して小さくなってしまい、あまり小さい球だと後々大変になります。今回の一番小さい球は直径が7mmでした。中が空洞になるので粘土の厚さが2mm以下になり、あまり薄いと割れてしまいます。製図ではその辺も考慮してあまり球が小さくならないよう、また粘土の厚みが薄くならないようにしないといけません。

Monday, January 01, 2007

謹賀新年!

明けましておめでとうございます!今年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、今年の稲垣法律事務所のトップページ(http://www.inagakilaw.com/)をご覧になっていただけましたでしょうか?今年の主役はズバリ「イノシシ」です。脇役は人形2体です。人形の方が目立ってしまってますが、あくまで主役はイノシシ。それもただのイノシシじゃなく、子供のイノシシ「ウリ坊」です。

人形は2体を1ヶ月で作りました。それがもう大変だったのなんのって。。。その様子を今年はブログで載せていこうと思います。それとウリ坊も。ウリ坊は編みぐるみです。イノシシというかウリ坊って結構特徴掴むのが難しいですね。このウリ坊も豚っぽくなってしまいました。でもウリ坊ですよ!詳しい様子もこれからゆっくりと紹介していきたいと思います。