Thursday, May 01, 2008

縮緬の漂白を試みる

今日は縮緬の漂白について書いてみます。まだ実験段階ではっきりと何が良いとは言えませんが、色々やってみています。

縮緬という布は糸をよじったもの一度固め、それを織り、それからまたお湯で煮て糸を固めていた糊を溶かし、独特のしぼを出したものです。このため、縮緬にアイロンをかける時にはスチームは使えません。しぼがなくなってしまうからです。また最近の縮緬はレーヨンですが、昔のは絹のものが多いです。絹は生ものなので漂白する時に市販の漂白剤(塩素系)は使えません。



これは縮緬のお細工物&人形の着物用に買った縮緬の反物です。長浜縮緬です。絹100%。真っ白ではなく、黄味の強い生成りです。もしかしたら古くて黄ばんでしまったのかもしれません。これを出来るだけ漂白して使いたいのです。下の画像は左がレーヨンの縮緬の白、右が手持ちの長浜縮緬の反物です。これだけ色が違います。



縮緬の漂白の仕方は分りません。独特の織り方ですし、絹ですからどのような薬品を必要とするのか、またどのような方法で漂白するのか、それは一切分りません。この際しぼはあまり考えずに絹ということを考慮し、絹の漂白方法をとってみることにしました。

絹の漂白は過酸化水素水を使います。オキシドールです。これに布を浸して漂白するのです。



上の画像は左がレーヨンの白、真ん中の小さいのがオキシドールに1日浸して漂白した長浜縮緬、右が漂白前の長浜縮緬です。非常に分り辛いのですが、うっすらと漂白されているようです。しかしこれではあまり差がありません。

インターネットで絹の漂白方法を探していると、こういうのを見つけました。「3%の過酸化水素水と水を足したものに布を入れて、沸騰させないように2、3時間煮る。これで駄目ならこの方法を何度か繰り返すと真っ白にはならないけどパールホワイトにはなるよ」。煮ればいいのか!ということでオキシドール(3%)と水を同じ比率で混ぜたものに縮緬を入れ2時間煮てみました。



上の画像はオキシドールに1日浸した長浜縮緬、真ん中が白レーヨン、下がオキシドール+水で2時間煮た長浜縮緬、右が元の長浜縮緬です。なんと色がますます黄色になってしまいました。これはもしかしたら使用した水のせいかもしれませんし(普通の水道水を使った)、使った鍋と反応したからかもしれません。いずれにせよ色は濃くなってしまいましたし、あまり煮るとしぼがなくなりそうなので煮るのをやめました。

ここまででなんとなく次の工程の見当がつきました。まず煮ないこと。煮るとしても水と鍋に気をつけること。そして一番効果があったのがオキシドールにただ浸しただけであったので、次は根気よく浸し続けてみようと思い、他にも使えそうなものがないかと探してみた結果、次のようになりました。



1)水に浸す(水道水を濾過したもの)
2)酢に浸す(酢は普通のホワイトヴィネガーです)
3)水と酢を1:1の割合で混ぜたものに浸す
4)オキシドール(3%)に浸す
5)オキシドールと水を1:1の割合で混ぜたものに浸す

酢を選んだのは布に一番優しそうだったからです。深い意味はありません。5つの水溶液に浸して2時間程したら、布からものすごい防虫剤の匂いがしてきました。これは最初にオキシドールに浸した時もそうでしたが、この縮緬は防虫剤がたくさんしみ込んでいる古いものだったのではないだろうかと。経年による黄ばみは漂白出来ないらしいのですが。この5つを5〜1週間程浸してみました。結果はまた書きます。

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